価格: | ¥416 |
著者: | 黒岩重吾 |
出版社: | 角川書店 |
発行年月: | 1989年12月 |
ISBN: | 9784041268483 |
種類: | 文庫 (角川文庫) |
在庫状況: | |
特殊ベッド販売会社の社長河内大作の一人息子で小学校3年生の治夫が誘拐された。誘拐されて2日後、犯人から治夫をもらったと電話があっただけで、その後金銭の要求等もないまま一月たった。警察は河内夫婦に恨みを抱く者の仕業ではないかと捜査をその方面に拡げた。河内は彼の会社自体を軍隊組織に仕立て、セールスマンに厳しい訓練をし成功させた人物であった。彼自身、戦争中は関東軍にいて東満州に勤務し終戦の時は28歳で大尉だった。軍隊時代は鬼のような男であった河内も子供には弱い父親であった。捜査当局は治夫はすでに殺されていると判断したが、河内はあきらめず新聞に懸賞広告を出した。人間の暗い深淵を描く問題作。