青山の深夜クラブに勤め、二人のボーイフレンドがいながら、別の男二人と奔放な同居生活を続ける理香のもとに、突然一人の少女が舞込んできた。リエと名乗るその少女は、まるで感情の何処か一部分が欠落しているような表情をしていたが、理香はその少女に、かつての自分の姿を見ていたー。（「ビハインド・ハードロック」）。大都会の片隅でうごめく若者たちの生態を、強烈なロックの旋律を彷彿させる力感あふれる筆致で描く衝撃の表題作と、自伝的小説他四編を収録した傑作小説集。