価格: | ¥458 |
著者: | 志茂田景樹 |
出版社: | 角川書店 |
発行年月: | 1986年03月 |
ISBN: | 9784041599068 |
種類: | 文庫 (角川文庫) |
在庫状況: | |
たしかにそれは猿人だった。コナラの林の中で、長い体毛に全身を覆われた怪物が全裸の女を襲っていたのだ。人跡まれな安曇野の奥地。鹿爪神四郎はこの山奥で育った。学校へも通わず、亡父から剣と手裏剣の術を教わった。教えた剣術は“シノムラの剣”、シノムラとは忍びの連の略だ、父はそれしか説明しなかった。神四郎が今は無人の生家を訪ねる気になったのは、2年間の都会生活に疲れたのと、「おまえはシンシュウ一族の統領になる身だ」と言われて育ったことの意味を知ろうと思ったからだった。安曇野の奥深く踏み入った彼は、猿人につづいて奇怪な集団に出会った。やがて彼は、記紀の昔から歴史の地下に生きる一族の秘密を知るのだが…。