価格: | ¥2750 |
著者: | 岩井茂樹 |
出版社: | 角川学芸出版 |
発行年月: | 2010年02月 |
ISBN: | 9784047021457 |
種類: | 全集・双書 (角川叢書) |
在庫状況: | |
かつてどの小学校の校庭にも置かれていた二宮金次郎像。薪を背負い読書しながら歩く姿は、江戸期に狩野派が中国の朱買臣の図像を取り入れたものだった。幸田露伴が『二宮尊徳翁』の口絵で、朱買臣の図像と苦学する金次郎の姿を結びつける。その後、富山の薬売りのおまけである「売薬版画」や広告の題材に使われ、金次郎のイメージは一気に全国に広がっていった。出世より努力を体現する二宮金次郎は、庶民にとって新しい理想像となり、国家にとっても重要な意味をもつことになる。金次郎像に秘められた意外なイデオロギーを鋭く描き出す。