鶴賀百貨店はロスアンゼルス支店のオープン３周年を記念して、ロスからパナマ運河を越えてフロリダまでの巨大豪華客船による、パナマ運河クルーズを行なう。これには社長の関原英四、夫人で創始者の孫真理子と母親の先代社長夫人浅野伸枝も参加する。ツアーコンダクターのチーフはＭ旅行社の牧野蘭子と上杉信吾。３００人余のツアー参加者の中には浅野一族によって両親を奪われた長井美希子や、牧野蘭子への失恋から姿を消した兄を探す駒沢佐知子が加わっていた。それぞれが憎しみを抱き、再会を期して豪華客船に乗船した。２万８０００トンの濃紺のサンタクルーズ号は殺意を満載してロスを出港、マリンブルーの海を南下する。