価格: | ¥1601 |
著者: | 森村誠一 |
出版社: | 角川書店 |
発行年月: | 1992年12月 |
ISBN: | 9784048726573 |
種類: | 単行本 |
在庫状況: | |
大廈鎌倉幕府は遂に滅びた。菊夜叉は北条家再興を高時に誓い、遺児時行を守って兵火の鎌倉から脱出した。建武中興はここに成り、後醍醐は都へ還幸する。だが理想高く発足したはずの建武の新政権は、当初のビジョンからはほど遠く、後醍醐は酒色と遊興に耽り、諸卿群臣は猟官運動に狂奔する。賢臣は失望し、人心は離れ、護良親王と足利尊氏の対立が激化する。束の間の平和の中に溺れて、志を失った人間群像のあさましい権謀術数、それは戦乱そのものよりも凄じく人間性を剥き出しにする。激動する時代の急流の中に、護良親王は暗殺され、次の大乱の口火が切られた。だが楠木正成は不吉な予感におののきながらも動かない。