価格: | ¥2860 |
著者: | 安野光雅 |
出版社: | 講談社 |
発行年月: | 1986年04月 |
ISBN: | 9784062024938 |
種類: | 単行本 |
在庫状況: | |
多少より道はしたが、ともかく私は3年かかって終点まできた。噺では一晩かかって着くことになっているが、黄金餅の落語そのものの長さは約40分である。その中の道順読み上げの部分だけをとり出せば、1分もかからない。現在の地図で、その道順を測ってみたら、1万メートル強である。私はもっと遠いかと思っていた。下谷と麻布では、その頃の両方のはしっこだが、考えようによると、さしわたし1万メートルという江戸は、かなり大きい町だったなと思う。これを今のパリに置きかえても1万メートル直進すると、およそ町を縦断してしまう長さである。落語の好きな人はこの道を一度歩いて見てほしいものである。