津島修治から太宰治へ、その実像と虚像、そして、太宰からＤ・Ａ・Ｚ・Ａ・Ｉへー。作家を見つめる視線の中に二つの焦点を置き、楕円状の思考の軌跡、その重層構造が浮かび上がらせる、まったく新しい太宰治の作家像。既成のイメージを払拭し、２１世紀の文芸評論に活路を開く言葉の冒険。私的にして、詩的な２１世紀の太宰治論。