価格: | ¥1320 |
著者: | 黒井健/小澤俊夫 |
出版社: | 講談社 |
発行年月: | 2000年04月 |
ISBN: | 9784062670531 |
種類: | 絵本 (えほん世界のおはなし) |
在庫状況: | |
お話のつくり方という点からみると、とてもよくできていることがわかります。お母さんやぎが、「おおかみをうちへ入れるんじゃないよ、声はがらがら声だし、足が黒いから。」と言ってでかけると、言われたとおり声はがらがら、足は黒いおおかみが現れました。昔話は、“ことば”で言われたことを“できごと”で繰り返すのが好きなのです。「いばら姫」でも、予告された運命どおりのことがおきています。お母さんがおおかみのおなかをはさみで切り開くと、6匹の子やぎが元気にとび出してきます。これは、厚紙を切って作った子やぎがおなかの中にしまってあって、それが出てきたような感じです。図形的で、生々しさがありません。そしておおかみ自身、おなかを切開されたのに知らずに寝ています。血も流れていません。これも昔話独特の語り方で、写実的ではなくて、まるで厚紙で作ったおおかみのようです。残酷な感じはまったくありません。だいじなことは、子やぎ全員がおなかから無事に出てくること、そして悪者が死ぬことなのです。子どもは安心して眠りにつくことができるでしょう。