不良融資の善処を求めたために、取締役から閑職に飛ばされた主人公。一方、その融資を決裁した張本人は、頭取にのし上ってゆく。正論を主張したが故に、貶められてゆく主人公の痛慣を描く表題作。創業以来３９年間、日銀天下り頭取に支配されてきたある都市銀行。行内の志気低下を憂慮したプロパーの主人公は、ある重大な決意をするが…。（『日銀天下り』）。銀行（金融機関）を素材に、その暗部を鋭く抉った短編６本を収録。