価格: | ¥628 |
著者: | 片山恭一 |
出版社: | 小学館 |
発行年月: | 2012年11月 |
ISBN: | 9784094087680 |
種類: | 文庫 (小学館文庫) |
在庫状況: | |
歯科医・和也は、一人暮らしを続けている。実家の父親の看病を名目に妻は長期不在、大学生の二人の息子も家を出ている。三歳になる猫と気侭な生活を続けていたが、兄・靖彦がアルコール依存症のため緊急入院したことで、物語は動き出す。記憶の底に留まる、ゼラニウムを描いた一枚の油絵を発端に、幼少期の記憶を紐解いていく兄。やがて、その絵は、亡き父が描いたものであることへと逢着する。そして、ゼラニウムとともにその絵に描かれていた少女は、戦時中に五歳で亡くなった叔母であることがわかる。同じく五歳で亡くなった彼らの妹と同じ、明子という名のー。