快楽の源は恋愛のみにあらず。熱帯の島の匂い立つような空気に包まれて、五感を解き放った瞬間。あるいは書物の世界に引き込まれ、時を忘れて読み耽った至福の瞬間ー。そんな煌めくような瞬間がもたらす、官能的なまでの快楽を求めて積み重ねた、旅そして読書。その眩暈を誘われるほどの陶酔に溢れた記録を甘やかに綴り、読者のからだと心にざわめきを蘇らせる濃密なエッセイ集。