戦国末期、常陸国江戸崎の郷士・諸岡一羽は、天真正伝の流儀を伝える名人と謳われていた。が、不運にも病に冒され門弟は四散。印可を授けた秘蔵の弟子根岸莵角、岩間小熊、土子泥之助の３人を残すのみとなった。３人のうち一身の出世のみを計る莵角は師を捨て逐電。恩師の流儀名を微塵流と変え隆盛を極めた。師没し、忘恩の徒莵角に天誅を加えるべく岩間小熊は江戸へ発つ（『諸岡一羽の三人の弟子』）。歴史短篇集。