社会現象さえ惹起した『紺碧の艦隊』は、極めて高度なテーマ性に貫かれ、読者を啓発し続ける希有な物語である。本書はこの大人気シリーズ第一期完了を節目に、『紺碧』にまつわるエッセイ・評論・旅行記などを再構成した。平易な筆致で綴られる「憲法解釈論」「日米感情論」「国防論」「地政学」「メディア論」を読み進むうち、読者はやがて、荒巻義雄氏の透徹した世界観を学ぶことになるだろう。本書は『紺碧』ファンのみならず、「日本」という現代社会を生きる我々にとって、大きな道しるべとなるに違いない。