医学や医療の分野では、主として精神医学が不安を扱い、これまでに膨大な研究と治療の業績が累積されてきています。精神科以外の心身症科を頂点とした一般診療科にも、日常の診療場面に不安が遠因をなす疾病や、不安に根ざす歪んだ保健・受療行動をとる患者が数多く受診してきます。以上のような状況を踏まえて医療関係者や研修医、医学生、不安の問題に携わる人々、そして不安に悩む患者やその家族の方々を対象に、不安に関する書として編まれたのが本書です。