本書は、構造主義と記号論の本質と発展、またその原則と問題点などを取り上げて、この分野の予備知識を持たない人たちでも理解できるように書かれたものである。まず、言語学と人類学に関連した学問から、構造主義者の考え方の発展を歴史に基づいて記述する。特に、ソシュール、レヴィ=ストロース、アメリカ構造言語学者たちに言及する。ついで、ロシアのフォルマリズムに検討を加えつつ文学研究の分野での現在の主要な構造主義者たちの考え方を詳述する。その中では、ローマン・ヤコブソン、ロラン・バルトや他の人々の仕事を特にくわしく分析している。