四十三歳の平凡なサラリーマン、野村辰夫は朝の通勤電車の中で生まれてはじめて痴漢と間違われる。同じ日の夜、今度は自宅近くの公園で不良中学生たちの“オヤジ狩り”にあう。野村は朝の不快な出来事、世の中に対するやり場のない憤懣などが一気に爆発したかのように逆襲に出る。数日後、少年のひとり、中学三年の高井一志と再び殴り合いをした野村は、奇妙な親近感を覚える。一志から銀行の支店長をしていた父親が誰かに嵌められ自殺に追い込まれたことを聞いた野村は事件の核心に迫り、一志とともに復讐を開始する。