相次いで東京駅に到着した二本の寝台特急列車から、日野原亘と舟津怜二郎の刺殺死体が発見された。亘の姉に調査を依頼された薬丸峻は、殺された二人が女を喰い物にしていたことを知り、怨恨による計画殺人と睨む。日野原と舟津が過去に関わった女たちを追う峻の前に、二人に嬲られたのち事故死した沢田麻友子の名が浮かび上がる。彼女の死に事件の鍵を求めて長崎へ飛んだ峻に、姿の見えぬ犯人の卑劣な罠と、第三の殺人が待っていたー。