口滅らしのため江戸に出てきた上総の百姓の倅・圭太は、旗本の織口家に若殿の周一郎付きとして雇われていた。しかし、刀に異様な執着を見せる周一郎は、藁束を斬るだけでは満足できなくなったのか、とうとう町娘に対して刃を向けた。すんでのところで小田浜藩の姫君・鞘香の助けを借りて娘を救い出した圭太だったが…。大名家の姫君でありながら、素破の里で身につけた淫法を駆使して、悪に立ち向かう鞘香姫の活躍を描く好評書下ろしシリーズ第九弾。