敗色濃い昭和二十年の初夏、関東近郊に住む商業学校の新入生・渋江夏生はクラスメート四人で、近くの洋館を探検に。そこに住むドイツ人母子に呼び入れられた四人は、死を目前にした母親から、娘のザビーネを長崎の祖父の元に送り届けてほしいと頼まれた。日本全土が焦土と化すなか、四人の少年と金髪の少女の冒険が始まった！食糧の強奪、脱走兵、艦載機の攻撃、鉄道の混乱。阿鼻叫喚の巷を切り抜けながら、やっとの思いでたどり着いた五人を、長崎で待ち受けていたものとは…？著者ひさびさの「証明」シリーズで新境地を開いたロードノベル渾身作。