価格: | ¥1320 |
著者: | 福田 清人/笠井 秋生 |
出版社: | 清水書院 |
発行年月: | 2016年08月01日頃 |
ISBN: | 9784389401047 |
種類: | 全集・双書 (人と作品) |
在庫状況: | 在庫あり |
生後間もなく母の発狂という不幸に見舞われた龍之介は、芥川家の養子となり、幼少時を東京の下町で過ごした。早くから豊かな文学的才能の片鱗を見せ、一高を経て東大に進み、菊池寛や久米正雄と交友を結び、作家への道を志した。師漱石が激賞した『花』で文壇にデビューし、ついで『芋粥』を発表して新進作家の地位を確立した。以後『戯作三昧』『地獄変』『奉教人の死』などの名作を書き、芸術至上主義への姿勢を明確にし、豊かな教養と知的な技巧の冴えを示した。晩年は作風に著しい変化を示したが、異常なまでの芸術的精進はその精神と肉体を蝕み、人生への不安と懐疑の深まりにつれ、死の決意を抱かせるに至った。昭和二年七月二十四日自らその短い生涯を閉じた彼は、大正時代の最も卓越した小説家であり、日本近代文学史上比類なき短編作家といえよう。