価格: | ¥1320 |
著者: | 恩田 逸夫 |
出版社: | 清水書院 |
発行年月: | 2017年09月10日頃 |
ISBN: | 9784389401160 |
種類: | 全集・双書 (人と作品 新装版シリーズ) |
在庫状況: | 在庫あり |
九州柳河の一少年が文学に志して以来、詩歌壇の巨匠として五十八歳で永眠するまでの北原白秋の生涯は、まさに詩業一路の歩みであった。それは明治大正昭和にわたってたゆみなく進められ、しばしば画期的な作風を樹立したのである。しかも、その活動は詩・短歌・童謡・民謡その他、詩歌圏の全領域におよんでいる。絶えず新しい境地を求めて躍動する豊饒で健康な生命力こそ、彼の詩業の根本的な特色である。そして、この力は童心や郷土性や古典文芸など、素朴で永遠的なものが源泉とされている点で、決して枯渇することはない。外へ豊かに拡散する力と、内へ深く集約する力、この二つの傾向の総合されたエネルギーが、白秋文学を推進させるたくましい生命力なのである。多様と統一、流行と不易、そこに白秋の詩業の魅力がある。