価格: | ¥935 |
著者: | 篠原愛人 |
出版社: | 清水書院 |
発行年月: | 2012年08月 |
ISBN: | 9784389411923 |
種類: | 全集・双書 (Century Books 人と思想 192) |
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コロンブスはアメリカの発見者ではない。到達先には何千万もの先住民がすでにいた。それに四度も大西洋を往復した彼はそこがアジアだと、死ぬまで信じていた。そこは島か、大陸か。その陸地の性質をめぐりさまざまな解釈が生まれたが、アメリゴ=ヴェスプッチの『新世界』と『四度の航海』が一石を投じる。一六世紀初頭に出版されるや、どちらもたちまちベストセラーとなり、彼にちなんで新大陸をアメリカと命名した者まで現れた。フィレンツェ生まれのアメリゴ=ヴェスプッチは初代のスペイン主席航海士となったが、その死後、発見者の名誉をコロンブスから奪おうとしたと非難される。一八世紀に彼の私的な書簡が発見されると、先の二著がアメリゴの作なのか論争が起こった。誰が、何の目的で『新世界』を書いたのか。そもそもアメリゴは本当に航海したのか。したのなら、どこまで探検し、そこをどのように解釈したのか。知名度のわりに知られていない、謎に満ちたアメリゴ=ヴェスプッチの実像に迫る。