価格:¥1320
著者:川下 勝
出版社:清水書院
発行年月:2016年02月01日頃
ISBN:9784389421229
種類:全集・双書 (新装版 人と思想 122)
在庫状況:在庫あり
アウシュヴィッツといえば、大量虐殺が行われた死の収容所を思い浮かべる。そこに、他者のために命をなげうって、餓死監房にくだった一人の人間がいた。マキシミリアノ・コルベ神父である。神父は、「友のために命を捨てる愛」という武器をもって、人間の尊厳を否定する巨悪の力に立ち向かった、現代の預言者である。かれは、「憎しみからは何も生まれない。愛だけが創造する」という言葉を残している。まさに預言者の言葉であり、憎悪、不正義、搾取、命の抹殺、人間性の破壊という悪の力が渦巻く世界にあって、確かな重さを持っている。神父は学者ではない。自らの行動と生活によって証しする預言者、ジャーナリストとしての感覚を持つ実行の人であった。同時に、人間としての弱さも重く引きずっていた。本書は、かれ自身の言葉を辿りながら、かれ自身に語らせながら、餓死室に赴いたこの現代の預言者の姿に迫ろうとするものである。
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