価格: | ¥639 |
著者: | 颯手達治 |
出版社: | 春陽堂書店 |
発行年月: | 1995年10月 |
ISBN: | 9784394124580 |
種類: | 文庫 (春陽文庫) |
在庫状況: | |
両国は薬研堀埋立地にある金兵衛店に引っ起してきたまだ若いが溝から上がった大黒さまのような浪人は、長屋の衆を祝いに招いて、易者の満願堂万作と名乗ったときには、すでに小ざっぱりとして若さま然としていた。その席にまだ顔を見せていなかった浪人父子の娘お多津が駆け込んできて、父が斬り殺されたと叫んでくずれ落ちてしまった。駆けつけてその柏木市兵衛なる浪人の死体を見た万作は、そこに田中半三郎を発見したのだった。万作はもと、江戸南町奉行所同心仙場で、奉行の特命で隠密同心の役に就いていて、金座探索を手がけていたが、田中は金座役の後藤左三郎の信頼を得ていた人物であった…。-退任して三年近くほうぼうを歩き回って江戸へ戻ってきた万作に待っていたものは。