中世ヨーロッパに伝わる「聖盃」伝説に材をとり、作者自身の宗教世界を投影させて完成したワーグナー最後の楽劇。「聖盃」は十字架にかかったイエス・キリストの身体から流れ出る血を受けた盃であり、中世伝説では聖なる力を持つとされている。悪の誘惑のために危機に瀕した聖盃城を救うために選ばれた「清ラカナ愚カ者」パルジファルと、彼に対立する二つの性格をもつ美女クンドリー、魔法使いクリングゾール、「魂の救済」をテーマに展開される荘厳なドラマ。