青山のプールバーで、若い女が怪鳥のような叫び声を発し、昏倒した。「これでふたり目か」-プールバーの社長・鷲津翔は暗い眸となって呟いた。いずれも新種の覚醒剤だと見当はついていた。鷲津翔、３５歳。身長１８０センチ、肩幅広く、胸厚く、脚が長く、一見スリムである。強靭な意志を持った、鉄人的な表情をもつ。北部信濃の大山林地主の流れをくむ。表の顔は、ほかにもさまざまな事業を営む青年社長である。だが、裏こそは、なによりも悪を憎む現代のニンジャであった。事件は日本、中国、韓国の暴力団がからみ、抗争ぶくみである。さらに、シャブ中毒の元ポルノ女優、凄腕の女ヒットマンも躍りでて、鷲津の行く手に立ち塞がった。危うし、スーパー・ニンジャ。