一九九六年、私にとっては曾孫にあたる奈波に恋人が出来た。その相手明神時彦を遠目に見た瞬間、私の背筋に電流が走った。理由はなにもない、この男こそ私が恐れていた敵だということを。オーラのように立ちのぼっていた殺気。スポーツマンのそれとも、武道者のそれとも違った、実戦オンリーで鍛え抜かれた格闘技と火器の名手。それが彼の正体なのだ。「千三百年の劫をへた私と戦うつもりなの、坊や」「そのつもりだ」明神は一歩もひくつもりがないようだ。私たちは深夜、無人高架駅を戦闘会場に選んだ-。死んでも死んでも蘇る超少女繭子に、超能力を持った美青年が接近して来た。敵か味方か、男の正体は。