我が国の所得税は、納税者自らが自主的に申告して納付する申告納税制度を基本としていますが、これと併せて給与や利子、配当、報酬・料金等の特定の所得については、その支払者である源泉徴収義務者が、その所得を支払う際に所得税を徴収して納付する源泉徴収制度が採用されています。しかし、源泉徴収の対象となる所得は、広範囲にわたっていることから、社会経済情勢の変化に即応して毎年のように改正が行われており、その取扱いは複雑・難解なものが多くなっています。本書は、このような傾向にある源泉所得税の取扱いをできるだけ分かりやすく解説するために、源泉徴収事務に携わっている人から寄せられた具体的な事例などを基にして問答形式に取りまとめたものです。