価格:¥4620
著者:藤田佳久
出版社:農政調査委員会
発行年月:2000年03月
ISBN:9784470450527
種類:単行本 (愛知大学文学会叢書)
在庫状況:
20世紀前半の半世紀にわたり、日本人の学生約5000人が中国のフィールドを中心にしつつ、東南アジア各地や旧満州にまで及び一大調査旅行を重ねていた。この「大調査旅行」は、1901年、文字通り20世紀の開幕の年に中国・上海に開設されたビジネス・スクールである東亜同文書院の学生達によって行われていた。それは、最終学年の学生達によって毎年行われ、そのさい、学生達の自由な調査テーマと自由に選ばれたコースによって各班が編成され、毎年10〜20班あまりの調査班が五月末頃から各地へ出発した。各班は2〜6人程度のグループで編成され、各メンバーがそれぞれ調査地域での調査テーマをもった。これらの調査旅行の成果は、手書きの報告書として各学生ごとにまとめられ、書院へ提出され、また1920年代からはさらに毎日の旅行日誌も班ごとあるいは各班員によって記録され提出された。そしてその成果は『支那経済全書』(全12巻)、『支那省別全誌』(全18巻)、『新修支那省別全誌』(全9巻、終戦により途中で終了)などの刊行物に利用され、生々しい当時の中国の実像を伝えた。本書は、この大調査旅行の実施契機とその全体像を明らかにしようとしたものである。
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