価格: | ¥3300 |
著者: | 南亮進/牧野文夫 |
出版社: | 日本評論社 |
発行年月: | 1999年09月 |
ISBN: | 9784535551626 |
種類: | 単行本 |
在庫状況: | |
現代中国の著しい特徴として大規模な人口・労働移動がある。その主流は数千万人ともいわれる農民の都市への出稼ぎである。日本の人口の3分の2ほどの農民が、毎年職を求めて都会に出ていくのである。都会に就職の当てがあって農村を離れるのはごくわずかで、大部分は地元出身の先行者からの口コミ情報を頼りに都会に出現する。80年代中頃には、こうした農民の大群が北京市や広州市の鉄道の駅前広場にたむろしているシーンが、たびたびテレビ等に登場した。都市住民が彼らに対して持つイメージはネガティブなもので、ひところ使われた「盲流」という呼称には、差別的なニュアンスが込められている。それゆえ最近では、より客観的な表現で「民工潮」と呼ばれることが多い。本書のタイトルである「流れゆく大河」は、こうした現象を描写するものである。