御府内と称する地域は、文化元年（１８０４年）に御曲輪内より４里までと定められた範囲である。それは、東は、砂村、亀戸、木戸川、須田村まで、西は、代々木村、角筈村、戸塚村、上落合村まで、南は、上大崎村、南品川宿まで、北は、千住、尾久村、滝野川村、板橋川までで、この地域に、地図上、朱線をひいて、朱引内ともよばれた。前者の御府内１５部は、曲輪内、小川町、番町、神田、浜町、八丁堀、霊巌島、木挽町、築地、愛宕下、西久保、麻布、赤坂、青山、四谷、市谷、牛込、小日向、小石川、本郷、湯島、下谷、浅草をふくむ地域である。後者の御府内場末は、三田、高輪、飯倉、渋谷、千駄ヶ谷、原宿、内藤、大久保、中野、巣鴨、池袋、板橋、根津、谷中、駒込、竜泉寺村などをおさめる地域である。今回発行するのは、前者の御府内１５部である。