私立探偵・秋津慎平は女友だちの池野敬子と週末を利用して四国一周を楽しむつもりでいた。しかし馴染みの女京子と新宿で久しぶりに出会ったせいで酔いつぶれ、約束の飛行機に乗り遅れてしまう。この偶然が敬子の運命を暗転させ、秋津を苦しめることになる。敬子は高松で友人の結婚披露宴に出席後、姿が消えてしまったのだ。宴席にいた友人たちによると彼女は誰か人を探そうとして出かけたり、宴席で彼女に声をかけた六十位の男とひそひそ話をしていたという。伏せられていた敬子の過去が重苦しく覗けてくるようだった。そして数日後、彼女らしい女性の死体が徳島の海に浮く…。長編サスペンス。