「すばらしい財宝がこの湖の底にしずんでいるらしいよ。金や銀や、そのほかね。ほんとうだよ」わたしは口をきく間もあたえられずに、ヨナタンの運転席に座ることになった。マーティンとレナーテは、後ろの席に乗りこんで、待ち遠しそうにガムをかんでいる。エンジンをかけながらわたしはいった。「どうせがっかりするに決まっているぞ。あとで、パパがなにもいってくれなかったからなんていっても知らないからな。」「とにかく、行ってみようよ、パパ」。レナーテがつぶやいた。小学５年生以上。