「わたし、歌なんか、やめてしまうかもしれない。」わたしはいいます。「そう。オーディションを受けたくないのなら、それでいいのだけど。」と、ママが口をひらきます。「じつはね、けさはやく、ルーシーのママから電話があったのよ。ルーシーもアニーのミュージカルのオーディションを受けるので、あなたにたすけてもらいたいんですって。」「ルーシーが、アニーのオーディションを受けるんですって！？」わたしはもう、息がとまるほどびっくりしました。「まさか、あのルーシーが…！」わたしのおどろきを理解してもらうには、ルーシー・ブレッスラーの身の上をお話ししなければなりません-。作者の娘とその友人との友情にもとづく物語。小学４年生以上。