今でもアメリカのスポーツ史上最悪の腐敗といわれている１９１９年のワールド・シリーズ八百長事件「ブラック・ソックス・スキャンダル」。大リーグ史上、ルーキーとして４割を打った最初で最後の打者ジョー・ジャクソンは、生涯打率３割５分６厘と、大リーグ史上３位の記録をも残しながら、野球の殿堂はおろか、大リーグに属した選手の公式リストからも抹消された。彼の輝かしい大リーグにおける経歴一切を消してしまったブラック・ソックス事件とはなんだったのか。そして彼はその中にどうして巻き込まれてしまったのか。映画『ナチュラル』のモデルとなったジャクソンの数奇な人生を追う。