裸になった僚子に、まず、シュウが、それからテツが、そっとくちづけをする。三人は微笑みあい、家族のように抱きしめあう。床に、仰向けに、そっと横たわる華奢なからだの両側に、男たちが膝をつき、それぞれ僚子の腕をとる。シュウが左手。テツが右手。僚子はシュウを見、テツを見て、そっとまぶたを閉じる。両方の手首に、同時に、ちくり、と鋭い痛みが走った。が、ほんの一瞬。僚子はかすかに顔をしかめたが、目を開けなかった。なにか熱いものがからだの中を駆けぬけ、すべての血を光に変えてゆく。全身をさあっと震えが走り、閉じたまぶたに火花が散った。長い長いエレベータを降りている時のように耳が詰り、背骨の一番下の部分が、爆発したように熱くなった。鼓動は耳元で打つ大太鼓、脳裏にはめくるめく水晶のプリズム、万華鏡をのぞきこんだ時のように、数多の花びらが乱舞する。どこか深い深いところに、ひたひたと歓喜の波が押し寄せてくるのを、僚子は感じていた。