安政の大獄から三年、尊皇、攘夷、倒幕、開国…とめまぐるしく吹き荒れる改革の嵐。騒然たる世情を背景に、勤王の志士を名のりながら、軍用金調達の名目で市中に跳梁跋扈する不逞浪人たち。そんな輩が引き起こす血腥い事件の数々に、真っ向から立ち向かう南町奉行所同心・柘植修理介。この身は徳川の世とともに滅びる覚悟で、八百八町の闇を切り裂く人斬り同心の凄絶な剣が乱舞する。これを読まずして「峰隆一郎」は語れない！時代活劇の傑作。