価格: | ¥2200 |
著者: | 矢羽勝幸 |
出版社: | 勉誠社 |
発行年月: | 2004年10月 |
ISBN: | 9784585051732 |
種類: | 単行本 (日本の作家100人) |
在庫状況: | |
一茶の作品のおもしろさは、芭蕉以上に現代に近い点にある。古典や「風流」に寄りかからず、伝統的あるいは、貴族的な美を否定し、かわりに現実に生きるものへの愛を描いた。特に小さな動・植物や弱者への愛をうたい、権力者を批判した。上嶋鬼貫、広瀬惟然、一茶、種田山頭火、尾崎放哉ーこのような異端的な革新者たちは、俳諧の低迷した過渡期に現われるのである。一茶は「言語の雅俗より心の誠をこそのぶべけれ」と唱え、形より心、形式より無為を尊重した。親鸞に傾倒し、師弟の上下関係まで否定している。本書は、そのような一茶の生涯の軌跡と著作をなるべく平易に叙述したものだが、従来一茶の伝記では触れられなかった新出資料を可能なかぎりとりいれた。