価格: | ¥11000 |
著者: | 平川祐弘 |
出版社: | 勉誠出版 |
発行年月: | 2020年02月28日頃 |
ISBN: | 9784585294221 |
種類: | 単行本 (平川祐弘決定版著作集) |
在庫状況: | 在庫あり |
戦前は名のみ知られたダンテが、近ごろは日本人にも世界最高の詩人として合点されるようになった。今や日本ではダンテ『神曲』の方がゲーテ『ファウスト』より話題とされることが多い。これはひとえに学匠詩人平川〓弘のダンテ訳と講釈のお蔭である。この平明で詩的な『神曲』講義は実に豊かな西洋中世を解き明かす。それに平川〓弘の世界が重なる。読めども興趣のつきぬ本書だが、それにあわせて『神曲』を読み進むなら、ダンテの詩がいかに私たちにも身近で、新鮮で、興趣深いか、自ずとわかろうというものだ。著者は日本人が置かれた文化史的立場を吟味し、漱石のいわゆる「自己本位」で学問を再定義する。新しい、広々とした視野が自ずと開かれる。その生命の躍動を感じるとき私たちもまた「何等の快事ぞ。『神曲』は今我書になりぬ」と声高らかに叫ぶことができるだろう。