価格: | ¥1320 |
著者: | 藤田健治 |
出版社: | 法政大学出版局 |
発行年月: | 1997年01月20日頃 |
ISBN: | 9784588050930 |
種類: | 全集・双書 (教養選書) |
在庫状況: | お取り寄せ |
西田幾多郎『善の研究』における「純粋経験」の論理は、夏目漱石『草枕』のテーマと通底している。そのことから説き起こし、西田哲学の「即非」「場所」「我と汝」等々の論理、その後の系譜を読み解いてゆく。しかし一方、西田の原理中心的で宗教的指向の強い「上からの哲学」を批判、尋常普通かつ凡庸なる人間の生活に根ざし、醜悪な暗部をも直視する人間学として、哲学の再生を訴える。ドイツ観念論中心に哲学研究に生涯を捧げた著者が、「大凡下」の立場で哲学への思いを切々と語った書。