この本は、民法の入門書です。大学に入学したばかりの新入生のみなさんを典型的な読者として想定しています。民法を専攻するわたし達にとっても、民法の入門書を書くことは易しいことではありません。わたし達が何より苦心したのは本の構成です。本書では「民法という未知なる世界への旅」というコンセプトをたてました。そして、民法初体験のみなさんに、民法の「何を」、「どのような順序で」案内すれば、一番わかりやすく、かつ楽しい旅ができるだろうか、という点について知恵を絞りました。民法は、1000条以上もある大きな法律です。そこで、思いきって枝葉を捨て、幹だけを選びました。本書では、巨大な民法の全体像をつかんでもらうことに力点をおきました。