おじいちゃんが、病気になった。あと数か月の命という。ぼくのおじいちゃんは、お医者さんだった。でも、今は引退して、おばあちゃんと二人で暮らしている。父さんが、医者にならなかったので、おじいちゃんと父さんは、とっても仲が悪い。だから、おじいちゃんは、ぼくに医者になれと、うるさく言う。ふだんは、とてもやさしく、大好きなおじいちゃんなんだけど、自分の将来は、自分で決めたい。でも、おじいちゃんが死んじゃうなんて、いやだ！六月のある日、約束どおりぼくとおじいちゃんは、みんなに黙って家を出た…。