かつて日本国内には、その地を支配していた藩主が築いた城の周囲に、「城下町」が数多く築かれた。それら城下町は、往時の姿を一部残しつつ、今もなお生活の場として機能しながら、貴重な観光資源として多くの人々から注目を集めている。そこで本書は、47都道府県の城下町について、大小の主な事例を詳述した。まず城下町や藩領の配置、河川や地形、交通路との関わりなどを概観し、親藩・譜代と外様の区別による城下町の分布とその地域性を紐解いた。そして各城下町の特徴として、藩主の経歴や移り変わり、侍屋敷・町屋・寺町などの構成、伝統産業、祭礼や民俗行事についても解説した。さらに現在の町の姿にも言及しており、日本各地の城下町の変遷と魅力がわかる一冊。