１９９０年代後半、米国はついに経済再建と財政再建を同時に実現することができた。しかし、このような成功がクリントン政権の政策取り組みのみによって生じたと考えることはできない。その源流は、カーター政権にあった。１９７０年代未に始まる米国再生への長期の取り組みは、「国民の自助努力」と「効果的に機能する政府」の結合によって経済を活性化させ、「強いアメリカ」の再興をめざす「グランドストラテジー」として結実した。冷戦後の米国再生の「完成」プロセスを中心に、カーター、レーガン、ブッシュ、クリントン各政権の経済再生戦略を考察し、米国再生への道を克明に描く。