価格: | ¥3300 |
著者: | 竹中星郎 |
出版社: | 岩崎学術出版社 |
発行年月: | 1996年01月 |
ISBN: | 9784753396009 |
種類: | 単行本 |
在庫状況: | |
現代社会は川から水辺の豊かさを奪ったように、社会の周縁を生きる人々の生活空間を狭めてきた。今日われわれは、そのような状況の中で高齢を生きることの重い意味を考えることを求められている。著者は長年にわたる高齢者の精神科臨床の経験から、老年期特有の心性をふまえた精神病理を敷衍する。妄想、抑うつ、人格障害、痴呆といった多彩な臨床像から見えてくるのは、社会的喪失と身体的衰退の下で生きる老人の姿である。65歳以上が人口の20%を超える高齢社会が近づきつつあるいま、われわれに求められるのは、老人の立場でその心性の理解に努める姿勢であろう。そして本書はさらに一歩踏み込み、高齢者が老いと向きあって生きるために、精神医学が身体医学と協力して取組むべき課題を、具体例を引きながら提案する。