名所旧蹟の由来を説く立札は、将棋の駒を象っていることから、駒札と呼ばれる。京の町の道すがら、これらの駒札を訪ねると、千年の歴史がひとつの線となり、駒札は一点の場面となってあざやかによみがえる。駒札の由来の裏に潜む民衆の声とは…。史実と伝説・民話・文学・芸能等の史料を縦横に渉猟し、洛北貴船神社から洛西梅宮神社に至る京都の五十余ヵ所、京の歴史の四方山を自在に語るユニークな歴史随想。