本書では、できるかぎりやさしくキャッシュフロー経営を解説し、仕事に生かしてもらうことをねらった。米国から持ち込まれた経営手法を紹介するだけでよしとしたり、専門用語を並べて、素人を惑わすことはしたくなかった。企業会計についてそれほど知識のない中小企業の経営者や、経理を担当している人たち（オーナー社長夫人など）にもなんとかキャッシュフロー経営をわかってもらえるところにレベルを合わせてみた。キャッシュフロー計算書の見方やつくり方を書こうと思ったのではない。「キャッシュフローを意識した経営をすること」に主眼をおいて書いてみた。キャッシュフローは人生をおくるのにも必要な知恵なのである。この点を強調したかった。