北朝鮮がソフトランディングして平和な民主国家になってくれるならこんな歓迎すべきことはない。しかし起こって欲しくないことと起こらないこととを混同し、平和の幻想を抱いて阪神大震災のように突然瓦礫の下で死んでゆく目には会いたくない。国家とは、国民の生命と財産を護るため、常に最悪の事態を想定してそれが起きないように抑止力を整備し、外交努力を続け、万一起きたときはこれに対処し得るよう平素から準備を整えることが最大の務めである。最悪の事態とはなにか、どうすれば避け得るか、どう備えなくてはならないか。本書は国民に真実を知らせ、警鐘を鳴らすつもりで書いたものである。