価格: | ¥24200 |
著者: | 西田直樹 |
出版社: | 和泉書院 |
発行年月: | 2000年02月 |
ISBN: | 9784757600270 |
種類: | 全集・双書 (研究叢書) |
在庫状況: | |
源信の『往生要集』が日本人の地獄思想の形成に多大な影響を与えた事は、思想史において常識である。しかしながら、『往生要集』が書かれた平安時代、西暦九八五年から千年以上の時間の経過の中で、源信が『往生要集』によって伝えようとしたメッセージ、つまり、末法時における阿弥陀信仰の重要性と極楽往生のための修行方法というメッセージが、不変のまま現代の日本人に受け入れられているわけではない。また一方で『往生要集』は、写本、版本、等が非常に多いという特色を持っている。周知のように、『往生要集』の原本は失われているのだが、漢文の写本、版本をはじめ、仮名書き本、仮名書き絵入り本など、様々な形態の『往生要集』が残されている。つまり『往生要集』は、受容者の知識や要求に対応して様々に形態を変化させ、今日まで伝えられ、日本人の地獄観や他界観に多大な影響を与えて来たのである。